川崎市は、インターネット上でのヘイトスピーチ(不当な差別的言動)抑止を狙うキャンペーンを始めた。ヘイトに反対するキャラクターを作成、X(ツイッター)やユーチューブで発信し、チラシやポスターでも呼びかける。
新キャラクターは「ヘイト言わザル」「ヘイト書かザル」「ヘイト拡散せザル」。伝統的な「三猿」に川崎大師名物のダルマを掛け合わせたようなデザインで、ヘイト発信や拡散を戒める。紙のチラシやポスターにはヘイトスピーチの具体例や、規制の法的根拠などの説明を盛り込んだ。
今回の呼びかけは、ネット上で外国ルーツの市民を標的にした攻撃が後を絶たないことがある。市は5年前にヘイトスピーチに刑事罰を科す全国初の条例を制定。街頭でのヘイトスピーチ抑止には一定の効果があったとみるが、オンライン上では効果が乏しいのが実情だ。
福田紀彦市長は11月19日の記者会見でキャンペーンに言及し「軽い気持ちで拡散することを防ぐ狙いがある。ネット上でもヘイトスピーチが減ってほしい」と話した。【和田浩明】