ベトナム反戦運動に尽力し、著書「私のなかのベトナム戦争」などで知られる作家の小中陽太郎(こなか・ようたろう)さんが3日、老衰のため東京都内の自宅で死去した。90歳。葬儀は6日午後1時半、東京都目黒区目黒3の4の5の日本基督教団中目黒教会。喪主は妻はるみさん。
神戸市生まれ。東京大文学部を卒業後、NHKに入局。バラエティーやドラマの制作を手がけ、1964年に退局して以降はフリーのエッセイスト、作家としてルポルタージュやコラムを執筆した。65年には作家の小田実さんらとベトナム戦争に反対する市民運動「ベトナムに平和を!市民連合」(ベ平連)に参加し、脱走兵援助などのためハノイやモスクワを訪れた。
米ニューヨーク市立大ブルックリン校客員教授や中部大教授など国内外で教壇に立った。日本ペンクラブ専務理事やアジアキリスト教協議会議長を歴任。2013年には「翔べよ源内」で野村胡堂文学賞を受賞した。
他の著書に「王国の芸人たち」「ラメール母」など。