7日に東京都渋谷区で開かれた国際大会「柔道グランドスラム東京2024」の女子57キロ級で、大阪府警第1機動隊所属の足達実佳巡査(24)が初優勝に輝いた。府警に所属する柔道の女子選手が同大会で優勝するのは初めてで、府警から表彰状が贈られた。足達巡査は「周囲のサポートのおかげで柔道にしっかり向き合うことができ、大きな力になった」と感謝の言葉を述べた。
府警本部で12日あった表彰式にメダルを首にかけて出席した足達巡査。上司や同僚らが見守る中、岩下剛本部長から表彰状を受け取った。岩下本部長は「我がことのようにうれしく、誇りに思う。トップアスリートとしての自覚をしっかり持って、これまで以上に心技体の充実に努めてほしい」と激励した。
足達巡査は滋賀県出身。柔道家だった父親の影響で小学1年から柔道を始めた。全国高校総体(インターハイ)出場経験もあるが、学生時代までは目立った成績は残せていなかった。だが、23年4月に府警に採用されてから一気に頭角を現した。日曜以外は、毎日3時間前後の稽古(けいこ)をして、ランニングやウエートトレーニングも欠かさない。
「思い切って技をかけるガッツある柔道が持ち味」といい、得意技は「大外刈り」。ただ今大会は、ロシアなど体格で勝る海外の選手とも対戦し、豪快な技を仕掛けることは難しかったという。相手のペースにのまれないように組手を徹底するなどし、隙(すき)を見せなかった。初出場ながら「自分の力が世界でどれだけ通用するか確かめたかった。緊張よりは楽しむ気持ちの方が大きかった」とメンタルの強さも勝因の一つとなった。
今後の目標は、2028年ロサンゼルス・オリンピックでの金メダル獲得という。足達巡査は「世界で活躍する警察官もいることをもっと知ってもらいたい。今後も多くの大会で優勝したい」と意気込みを語った。【二村祐士朗】