和歌山県紀の川市と通信大手のソフトバンク(本社・東京)は、ドローンで市特産の柿を運ぶ実証実験を行った。農家の負担軽減や、運搬コスト削減を図る取り組み。今後も実験を続け、2027年度の実用化を目指す。
使用したドローンは、最大30キロの荷物を積載して16キロの距離を運ぶことができ、秒速20メートル程度で自動航行できるという。
11月21日に行われた実験では、農産物直売所のある道の駅「青洲の里」(同市西野山)を出発して高さ約130メートルまで上がり、約4キロ離れた農園に向かった。農園で柿が入った約20キロのコンテナをつり下げ、道の駅に戻った。積み込み作業なども含めて35分ほどで往復した。
ドローンの用途を広げるのも課題といい、地震や豪雨災害の発生時の被害確認を念頭に、上空から道の駅近くのため池などの撮影も行った。
実験に訪れた岸本健市長は「実用化できれば、薬の配送などいろいろなことに使えると思う」と期待。実験に協力した「まつばら農園」代表の松原好佑さん(35)は「運搬にかかっている時間を栽培などに充てることができる」と話した。【藤原弘】