茨城県牛久市は16日、「世界最大の大仏さま」として知られる同市久野町の牛久大仏に「初代うしく親善大使」を委嘱した。人気観光地としての抜群の知名度をいかし、国内外の人々との「懸け橋」となるよう期待している。
牛久大仏は、全長120メートル。1995年、「世界一高い青銅製立像」としてギネス世界記録に登録された。自由の女神(46メートル)の約3倍の高さ、奈良の大仏(15メートル)が手のひらに乗ってしまうほどの大きさがある。市によると、2023年度に約56万5000人が同地を訪れたという。
この日、牛久大仏に続く發遣門(はっけんもん)で委嘱式があり、沼田和利市長が、牛久大仏を管理する東本願寺牛久事業本部の前川昌弘事務局長に委嘱状を手渡した。大使委嘱は、沼田市長が「(誘客などで)これまでも十分、役割を果たしていただいているが、世界一大きな親善大使のインパクトを活用したプロモーションをさらに充実させたい」と自ら提案し、東本願寺側が快諾したことで実現した。
沼田市長は「大仏さまの御利益にあずかりながら、一層の市政発展に努めたい」と決意を述べ、前川事務局長は「6年の工期を経て92年に完成した牛久大仏は、(86年に市制施行となった)市の歩みと重なる。社会貢献を担い、市民の役に立つようこれからも精進したい」などと応じた。【鈴木美穂】