現存する水族館で日本最古となる1913年に開館した魚津水族館(富山県魚津市)が老朽化であちこちに傷みが発生し、修繕費をまかなうためにクラウドファンディング(CF)で支援を募っている。富山県民なら一度は遠足などで訪れたことがあるはずの歴史ある水族館。関係者は「存続のため多くの人の支援を」と呼びかける。【青山郁子】
現在3代目
同館は旧国鉄北陸線の全線開通を記念して、13年に開催された博覧会の第2会場として建設された。当時日本海側では初の水族館だった。44年、戦争の激化に伴い休館し建物は漁業加工工場に払い下げられたが、54年に再び博覧会場として建設され再オープン。ホタルイカ遊覧船などが人気を博したという。
現在の建物は81年建設の3代目で、当時、日本海側最大級の規模だった。館内には日本初のアクリル製水中トンネルを有する大水槽や造波装置のある水槽などがあるが、いずれも経年劣化で故障が相次いでいる。トンネル水槽は水漏れし、造波装置も壊れて波のない「波の水槽」となっている。
現在、約330種1万匹の水生生物を飼育、展示しているが、年間約5000万円の修繕費が必要となっている。毎年約12万人前後の入場料収入では追い付かないのが現状で、水漏れなど早急に修繕する必要もあるため今回初のCFを実施した。「古くてボロいが日本一!日本で最も歴史の長い水族館」と銘打っている。
1月末まで
CFはふるさと納税型で、2000円から受け付ける。支援者には税金の控除、還付も適用されるほか、魚津市外の個人には果物や海産物など同市の特産品も送付する。募集は来年1月30日までで、目標は2000万円。同館の高田弘美館長は「歴史ある水族館を私たちの代で絶やすわけにはいかない。次世代につなぐためにも、魚津のことを知ってもらうためにも全国の方々に応援してほしい」と協力を求めている。寄付はhttps://www.furusato-tax.jp/gcf/3564から。