2025年に築城90周年を迎える伊賀上野城(三重県伊賀市上野丸之内)で16日、年末大掃除が始まり、初日は城のマスコットキャラクター「た伊賀ーくん」も加わって城門のすすを払った。年間入場者が新型コロナウイルス感染拡大前の約2万人減で推移し、職員らは25年こそコロナ禍前に戻すと期待を込めて城をすっきりした姿にしていた。
た伊賀ーくんは干支(えと)が寅(とら)だった22年を前にした21年暮れの大掃除から登場。4度目の務めのこの年末も長さ6・4メートルで先に葉のついた竹を持って、クモの巣などを払った。
城を管理運営する伊賀文化産業協会によると、年間入場者はコロナ禍で最も落ち込んだ20年度が5万301人。22年度は7万8090人と復活の兆しを見せたが、23年度は7万7467人と前年度比減に。24年度4~11月は5万5195人で前年度同期比2821人減とさらに減少傾向で推移。年間入場者はコロナ禍前の19年度の9万4010人を2万人近く下回ると推測している。協会の福田和幸専務理事は「90周年の来年はコロナ禍前に近づけて祝いたい」と話した。24年は28日まで営業し、25年は元日午前9時から開門して再開する。
また、協会は24年1月3日から天守閣1階に募金箱を設置していた能登半島地震被災地救援金は12月16日までに24万3080円が集まったと発表。23年2月25日から24年12月16日まで募ったウクライナ義援金も2次分として10万3726円が集まり、それぞれ同日、日本赤十字社に送った。ウクライナ義援金の1次分は23年2月、14万1303円を送金している。【大西康裕】