愛知県津島市の松井由美子市議(48)=共産党=が13日夜、酒に酔った状態で路上で倒れていたところを救急搬送された際に、市民病院の医師や看護師らに暴力を振るってけがをさせていたことが判明した。日比一昭市長は18日に臨時記者会見を開いて「誠に遺憾だ」と憤りをあらわにし、医師らが既に被害届を提出していることも明らかにした。
市などによると、松井氏は13日午後11時25分ごろ、市内の路上で、酩酊(めいてい)状態で倒れているところを近隣住民に発見され、あごを負傷していたことなどから救急搬送された。
医師らが診察しようとした際、突然興奮して大声を上げ始め、医師の胸ぐらをつかんで体温計を投げつけたり、看護師の胸や背中を蹴ったりした。止めに入った救急隊員も腹部を蹴られ、看護師は全治1週間の打撲を負い、医師は白衣が破れたという。
松井氏は18日までに病院と消防へ謝罪に訪れたが、医師と看護師は面会を拒否した。また、当時のことは「記憶にない」と話していたという。
日比市長は「市役所では(カスハラなど)いろんなことがあるが、ここまでのことは通常ない。公職にありながらこのような行為をしたのは遺憾。議会で適切に対応されると思っている」と述べた。
松井氏は2023年4月に初当選し、現在1期目。党尾張南地区の渡辺裕副委員長は「私的な会合で飲酒し、搬送されたというが本人は暴行の有無も覚えていないという。現在、本人や病院に聞き取りを進めている」とし、事実関係を確認した上で処分を検討するとしている。【田中理知、梶原遊】