他人に不正に取得されたクレジットカード情報について、警察庁は全国の都道府県警が捜査で得た情報を一括してVISA(ビザ)やJCBなどカードの国際ブランドに直接連絡する新たな運用を19日から始めた。窓口を一本化することで利用停止までの時間を短縮し、被害の拡大防止を図る。
捜査で容疑者のパソコンなどから、不正に得たとみられるクレジットカード情報が見つかると、従来は都道府県警がシステムを使ったり、国際ブランドに照会したりしてカード発行会社を特定。発行会社に個別に連絡していた。各社で連絡手段が異なるなど非効率で、現場では負担になっていたという。
新たな運用では、都道府県警から連絡を受けた警察庁が、ビザやJCB、マスター、アメリカン・エキスプレスなど国際ブランド計6社に不正利用の疑いがあると通知。6社はそれを受け、各カード発行会社に連絡し、利用停止などの措置をとる。
クレジットカード情報はフィッシング詐欺などで盗まれており、不正利用の被害は増加。日本クレジット協会によると、2023年は過去最多となる540億円(前年比104億円増)に上った。
23年には、神奈川県警などが不正利用事件で摘発した中国籍の男性のパソコンから、約1万7000件のクレジットカード番号が見つかった。警察庁によると、カード情報は匿名性の高いダークウェブでも売買されているという。【山崎征克】