18日午後6時15分ごろ、千葉県柏市高柳で「男性と女性1人ずつが血だらけで倒れている」と通行人から119番があった。2人は夫婦で病院に運ばれたが、まもなく死亡した。県警柏署は殺人事件とみて捜査本部を設置。夫婦を刺した人物の行方を追っている。
同署によると、夫婦は渡来敏明さん(59)と礼子さん(59)。近隣住民が事件前に女性の争う声を聞いているという。現場から刃物などは見つかっていない。
柏市消防局によると、救急隊員が駆けつけたところ、夫婦の住宅の敷地で、刃物のようなもので腹などを刺された敏明さんと、胸などを刺された礼子さんが倒れていたという。
現場は東武野田線高柳駅から北東に約1キロ離れた住宅街。この現場から約600メートル離れた場所では、同6時20分ごろ、住宅8棟が全焼する火災が発生した。
同署によると、火災の避難中にけがをした高齢の男女2人が病院に搬送されたが、命に別条はない。また、8棟のうち火元とみられる平屋建て住宅の住民1人と連絡が取れていないという。
同署はこの火災が、夫婦が刺された事件と関連があるか調べている。
夫婦が刺された現場近くには交通量が多い県道が通るが、辺りは静かな住宅街だ。近くに住む男性は「(夫婦は)最近、引っ越してきたが、あいさつもするし、変わったところはなかった。何か商売をしているようだった。まさか自分の近所でこんなことが起きるなんてという気持ちだ」と話した。【林帆南、高橋努】