ユネスコ無形文化遺産に登録されている秋田県男鹿市の民俗行事「なまはげ」の伝統を継承していこうと、迫力ある声や体の動きなどを学ぶ「なまはげ行事所作講習会」が開かれた。
なまはげは、怠け心を戒め、無病息災や田畑の実り、山の幸、海の幸をもたらす来訪神。若者たちが鬼のようなお面姿のなまはげにふんし、大みそかの晩に「泣く子はいねがー」「親の言うこと聞かね子はいねがー」などと大声で叫びながら、家々を巡る。
講習会には入庁1、2年目の男鹿市職員や、市が講義や試験を通じて認定する「ナマハゲ伝導士」ら約30人が参加。真山なまはげ伝承会の菅原昇会長(81)が「うがいをするように、のどで声を転がして」と、おどろおどろしいなまはげの声の出し方を実演してみせ、「がに股で前かがみ気味に」「手足を大きく動かして」などと、伝統の所作を指導した。
宮城県岩沼市出身で今年入庁したばかりの横山玄さん(22)は「想像していた以上に難しく大変だが、昔からの伝統を後世に伝えていくために頑張りたい」と話した。
今年は市内の68地区で大みそかの夜になまはげ行事が行われる予定。昼過ぎには市の若手職員らがふんする15体のなまはげがJR男鹿駅周辺を練り歩き、餅まきなどもある。【高橋宗男】