陸上自衛隊で唯一のパラシュート部隊「第1空挺(くうてい)団」による新春恒例の「降下訓練始め」に、海外から過去最多となる12カ国の空挺部隊が参加する。同盟国・同志国との信頼関係や連携の強化を図り、国内外にアピールするのが狙い。当日の様子はユーチューブでライブ配信される。
陸自トップの森下泰臣陸上幕僚長は19日の定例記者会見で、陸軍種同士の共同訓練は調整や部隊の移動に時間と労力がかかるとしたうえで、「陸軍種で最も機動力が高い空挺部隊を派遣して共同を示すのはイニシャル(第一歩)として最も有意だ」と強調した。
陸自によると、2025年の降下訓練始めは1月12日、例年通り、千葉県の陸自習志野演習場で実施する。米豪英仏独などの参加国のうち、イタリアとポーランド、フィリピン、シンガポール、タイの5カ国が初参加となる。日米の輸送機から約410人の多国籍空挺部隊がパラシュートで降下し、1年間の訓練の安全を祈願する。
22年までは日米のみで実施され、23年に豪英が加わり多国籍化した。24年は研修として参加したカンボジアなど、8カ国が参加した。【松浦吉剛】