知的障害のあるアーティストの作品をビジネス展開するベンチャー企業「ヘラルボニー」(盛岡市)が、国際芸術賞「HERALBONY Art Prize(ヘラルボニー・アート・プライズ)2025」を開催する。2回目の開催で、受賞作品の記念アート展を東京で開くほか、フランス・パリなどで特別展示する。
同社は、知的障害のあるアーティストの活躍の場を広げることを目的に国際芸術賞を創設した。今年開催した第1回の国際芸術賞には、28カ国・地域のアーティスト924人から1973作品の応募があった。8月10日~9月22日に東京都千代田区で、入賞作品を含む最終審査進出作家58人の62作品の記念アート展を開催し、累計で1万人が来場した。
第2回国際芸術賞は、12月30日まで作品を募集。来年4月上旬に最終審査を行い、グランプリや審査員特別賞などを決定する予定。第1回に続いて審査員を務める金沢21世紀美術館チーフ・キュレーターの黒澤浩美さんは「障害のある人たちのアートを評価するというよりも、1人のアーティストの力と心のこもった作品を1点ずつ拝見するという姿勢で臨みたい」と抱負を述べる。
受賞作品の記念アート展は、来年5月31日~6月14日に東京都千代田区の三井住友銀行東館1階「アース・ガーデン」で開く。また、グランプリ作品は来秋から冬にかけて、ヘラルボニーの本社がある岩手県内とパリで特別展示する。同社Co―CEO(共同最高経営責任者)の松田崇弥さん(33)は「受賞作家の作品が国際的な美術館に収蔵されることが来年、再来年に起きるよう、美術界の権威にも認知される芸術賞にしたい」、双子の兄でCo―CEOの文登さん(33)は「素晴らしい作家の作品を地元の岩手でも見せる機会を提供したい」と語った。【岩嶋悟】