企業の未公表の株式の公開買い付け(TOB)情報を親族に伝えたとして、東京地検特捜部は25日、東京証券取引所の細道慶斗元社員(26)を金融商品取引法違反で在宅起訴した。
細道被告は上場企業が公表する「適時開示」を担当する部署に所属していた。
証券取引等監視委員会は23日、細道被告が1~3月、父親(58)に利益を得させる目的で、職務上知ったTOB情報を繰り返し伝達したとして、特捜部に刑事告発していた。
父親は4月までに、TOB予定企業の3銘柄計1万5200株を約1706万円で自己名義で買い付けていたという。
不審な取引を把握した監視委が9月、細道被告や父親の自宅など関係先を強制調査していた。
親会社の日本取引所グループ(JPX)は23日、細道被告を懲戒解雇としたと発表。社内の情報管理体制に問題がなかったかを検証して報告書を公表するとしている。【岩本桜】