新年を前にして、京都府八幡市の石清水八幡宮本殿前に、高さ8メートルの迎春用「ジャンボ御神矢(ごしんや)」が立った。災厄などから人々を守る弓矢、武運の神として知られる同八幡宮の年末年始の風物詩で、2025年節分まで設置される。
鎌倉時代の元寇(げんこう)の際、亀山上皇が必勝を祈願すると、石清水から白羽の鏑矢(かぶらや)が飛んで行き、元の侵略軍が退散したという伝説にちなむ。同八幡宮ではお札として祭神の御霊(みたま)を込めた御神矢を授与するほか、ジャンボ御神矢が毎年立てられる。
2025年の新年に向け、同八幡宮は「八幡御神矢」と、7色の組みひもを結んだ「特別厄除御神矢」2万8000本を用意している。冬至の21日に、本殿で田中恒清宮司が八幡御神矢や特別厄除御神矢をはじめ、各種お守りに御霊を入れる神事「遷霊祭」を執り行った。その後、境内にある男山山中で採取した竹に白羽を取り付けたジャンボ御神矢2本を、宮大工と見習い神職たちが建物を傷つけないよう慎重に取り付けた。
私市靖権祢宜(ごんねぎ)は「新しい年に参拝する方々が笑顔になっていただけるようお迎えしたい。来年は巳(み)年で努力が実るとされる年。世界が平和で良い方向に向かいますように」と話していた。【鈴木健太郎】