兵庫県の斎藤元彦知事(47)のパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発した元県西播磨県民局長(7月に死亡)の私的情報がインターネット上に漏えいした疑いが持たれている問題で、斎藤氏は26日、年明け早々に第三者委員会を設置して調査すると明らかにした。
知事選後の11月下旬以降、政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首が元局長の公用パソコンにあった私的情報のデータだとして、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」やX(ツイッター)で画像などを公開。拡散された。
立花氏は当時、毎日新聞の取材に「公開した情報は本物だと思う。(情報提供者について)県の第三者機関の方にしゃべるつもりはない」と話した。
斎藤氏は26日の定例記者会見で、「県の保有データと同一のものかを含めて、弁護士を入れた第三者委に調査していただきたい」と説明。改めて、刑事告発や投稿の削除要請はしない考えを示した。
元局長は3月中旬、一部の県議や報道機関に知事のパワハラ疑惑などを記した文書を匿名で送付。内容を把握した斎藤氏が職員に調査を指示し、公用メールの履歴などから作成者を特定した。元副知事らが元局長を事情聴取した際に、公用パソコンを回収。私的情報はこのパソコンに保存されていた。
元副知事は県議会調査特別委員会(百条委)で、私的情報の内容は確認したが、データとして所持したり、他の職員などに見せたりしたことはないと証言している。
関係者によると、これとは別に、県の前総務部長が複数の県議に元局長の私的情報とされるデータの内容を見せたり、口頭で説明したりしていた。7月に週刊文春が報道し、県が弁護士に依頼して調査を進めている。