厚生労働省が25日、自動車の保有が認められる生活保護受給者について「日常生活に必要な買い物などでの使用を認める」と各自治体に通知した。これを受けて三重県鈴鹿市の末松則子市長は26日、定例記者会見で「(通知に)従ってやっていく」と述べた。市は車を使用する生活保護受給者に「運転記録」の提出を求めてきたが、市幹部は「必要性を検討する」としている。
生活保護制度では原則車は保有できないが、障害のある受給者などは通院や通勤などに限って認められてきた。市は支給に当たって、運転経路や具体的な用件などを記入する独自の運転記録の提出を要求してきた。
しかし、障害のある市内の親子が2022年、記録を出さずに日常生活で車を使ったことを理由に市が生活保護の支給を停止したのは違法だとして処分の取り消しを求めて提訴。名古屋高裁は今年10月、原告勝訴の判決を出し、記録に運転経路などの記載を求めたことを「必要性は相当低かった」と判断していた。【原諒馬】