浄土宗総本山の知恩院(京都市東山区)で27日、大みそかの「除夜の鐘」の予行演習にあたる境内の大鐘の試し突きがあった。
重さ約70トンの大鐘は、1636年の鋳造以来、一度も大鐘楼から下ろされたことがないといわれる。長さ約4・5メートル、直径約50センチの撞木(しゅもく)に取り付けられた16本の子綱を引く僧侶が「えーい、ひとーつ」「そーれ」とかけ声をかけ、1本の親綱を握る僧侶があおむけにぶら下がりながら勢いをつけて突くと、ゴーンという重厚な音色が辺り一帯に響き渡った。
この日は二突きごとに親綱の僧侶が交代し、約50分間、音色などを確認した。知恩院の貴田善澄執事長は「来年こそ穏やかな年になるよう願いを込めて突けるよう、大切なお稽古(けいこ)です」と話した。
大みそかは、午後10時40分から108回突かれる。【矢倉健次】