最大震度7を観測し、500人以上が死亡した能登半島地震から1年を迎えた1日、石川県は同県輪島市の日本航空学園能登空港キャンパスで、能登豪雨の犠牲者らも含めて追悼式を開催した。
馳浩知事は遺族に対し、「悲しみは計り知れず、胸が締め付けられる」と哀悼を表明。「ボランティアや支援団体、企業の皆さまが一丸となって能登を支えてくださっていることは、私たちに未来への光をもたらしてくれた」と感謝を述べた。
馳知事の式辞全文は次の通り。
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本日ここに、ご遺族並びに石破茂内閣総理大臣をはじめ多くの関係者のご列席を賜り、令和6年能登半島地震及び令和6年奥能登豪雨犠牲者追悼式を執り行うにあたり、石川県民を代表し、謹んで哀悼の言葉を申し上げます。
新年を寿(ことほ)ぐ元日に、ここ能登半島を中心に、最大震度7の大地震が発生してから、本日で丸1年となりました。追い打ちをかけるように、昨年9月には、復旧・復興の途上にある被災地に記録的な豪雨が襲い、未曽有の複合災害となりました。
現時点で、地震では本県で災害関連死を含め498名、豪雨では16名、合計514名の数多くの尊い命が奪われました。最愛の方を失われたご遺族の悲しみは計り知れず、その痛みに心を寄せる度、胸が締め付けられる思いであります。改めて、衷心よりお悔やみを申し上げます。
ふるさとの日常を一変させたこの度の複合災害は、私たちに自然の脅威を知らしめると同時に、復旧・復興への道のりが、如何(いか)に長く険しいものであるかという事実を突きつけております。
「もう心が折れそうだ」との被災者の声をお聞きする度、何としても被災者に寄り添っていかなければならないとの思いで、国や市町、ボランティア団体の皆さん、関係機関等と連携し、復旧・復興に取り組んでまいりました。改めて、石破茂内閣総理大臣、岸田文雄前内閣総理大臣には、これまで、国による特段の手厚い支援を講じていただいていることに深く感謝申し上げます。
一方、復旧・復興に向けて地域の皆様が互いに支え合う姿と、県内各地や全国からの温かい支援の輪が被災地の大きな希望となっている様子も、目の当たりにしてまいりました。
特に、若い世代が地域の再建に力を尽くし、また、県内や全国からのボランティアや支援団体、企業の皆様が一丸となって能登を支えてくださっていることは、私たちに未来への光をもたらしてくれました。ご支援を頂いた全ての皆様に、この場をお借りして、深く感謝を申し上げます。
何よりも、これからも被災された皆様に寄り添い、声に耳を傾け、きめ細やかな支援を続け、安心して暮らせる日常を取り戻せるよう全力を尽くしてまいります。
この道のりは決して容易ではありません。しかしながら、国や全国の自治体からの支援の下、県内外の民間の力もお借りし、すべての英知を結集させ、「創造的復興」に取り組んでまいります。
本日、この追悼式を迎え、復興の先にある「新たな能登の未来を築く」という強い決意を新たにしたところであり、全力を傾注し復興への道を切り開いていくことを、ここにお誓い申し上げたいと思います。
最後に、犠牲となられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、一日も早く、ここ能登の地に再び笑顔と希望が溢(あふ)れる日が訪れることを心から誓い、追悼の言葉といたします。
令和7年1月1日 石川県知事 馳浩