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学割「MacBook」転売事件 SNSで購入役を募集か、報酬も

毎日新聞 2025年1月8日 17時6分

 転売目的を隠して米アップル社製のノートパソコン「マックブック」を学割で購入したとして、警視庁暴力団対策課は8日、職業不詳の趙麗容疑者(51)=埼玉県川口市=と、19~28歳の大学生や大学院生ら6人の計7人の中国籍の男女を詐欺容疑で逮捕したと発表した。趙容疑者は中国系転売グループの指示役とみられる。

 アップル社は「学生特別価格」という学割を設定しており、学生はパソコンなどの商品を定価の約1割引きで購入できる。ただし同社の販売条件では学割を適用した場合、商品を転売して利益を得ることは購入から1年間禁じられている。

 警視庁によると、趙容疑者らはSNS(ネット交流サービス)などを通じ、購入役の中国人留学生らを募集。2024年2月からの約7カ月間で、東京都や川崎市のアップルストア6店舗で約700回にわたり、マックブックやタブレット端末「アイパッド」など約1億2000万円相当の商品を学割で購入していたとされる。

 学生らには商品1点の購入につき、1000~2000円の報酬が支払われていたとみられる。商品は購入直後に、趙容疑者の元に集められ、東京都豊島区の輸出入業者を通じて販売条件に違反して繰り返し転売されていたという。警視庁は中国本国に転売された可能性も視野に、転売益の流れなどを調べている。

 趙容疑者の逮捕容疑は24年5月14日、他に逮捕された購入役の6人に指示して、東京都中央区銀座8の「アップルストア銀座」で、転売目的を隠してマックブック11点(計約313万円相当)を学割で購入し、だまし取ったとしている。警視庁は7人の認否を明らかにしていない。

 趙容疑者は「アップルストア表参道」前で23年9月に、準暴力団「チャイニーズドラゴン」のメンバーらと騒ぎを起こしていたとされる。当時、チャイニーズドラゴン内の二つのグループが新型アイフォーンの転売を巡りトラブルになっていたという。【遠藤龍、加藤昌平】

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