NHKは8日、2025年度予算案と事業計画を発表した。事業収入は前年度比13億円増の6034億円、事業支出は同156億円減の6434億円。事業収支差金は400億円のマイナスになった。3年連続の赤字予算となり、赤字分は還元目的積立金で補う。事業支出のうち、インターネットでの番組配信など、ネットサービス関連の費用として180億2000万円を計上した。
ネット業務関連の費用は、NHKの肥大化に対する民放の懸念などから年200億円までとされていたが、昨年の改正放送法成立でネット配信が必須業務化されたのに伴い、上限が撤廃された。25年度予算案では180億2000万円のほか、ウェブアプリ開発などの一時的な準備経費として、29億5000万円を計上。合計すると209億7000万円となる。これに関し、NHKの稲葉延雄会長は同日の記者会見で「旧来のネット業務経費と、単純に比較するのは難しい」と説明。「通年ベースでいうと、だいたい24年度と同じ。無駄な支出はしないという考え方でやっていくので、引き続きこんな形で予算の額は推移するのではないか」とも述べた。
NHKは昨年10月、24~26年度の中期経営計画の修正案を発表。最高意思決定機関の経営委員会は8日、さらに一部の文言が微修正された案を、25年度予算案などと共に議決した。【井上知大、諸隈美紗稀】