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24年世界気温、産業革命前から1.6度上昇 初めて単年で目標超過

毎日新聞 2025年1月10日 12時0分

 欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス(C3S)」は10日、2024年の世界の平均気温は1850年以降で最も高く、産業革命前の水準を1・6度上回ったと発表した。国際社会は気温上昇を1・5度にとどめる目標を掲げているが、24年は単年の記録として初めて1・5度を超えたという。

 C3Sによると、24年の世界平均気温は15・10度で、1991~20年の平均より0・72度、最も暑かった23年よりも0・12度高かった。日平均気温も7月22日に17・16度と、観測史上最高を更新した。

 極端に気温の高い状態は23年から続いている。月平均気温は24年7月を除き、23年7月から毎月、産業革命前より1・5度以上高い。C3Sは、化石燃料の使用などで地球温暖化が加速していると分析。加えて、太平洋赤道域東部の海面水温が高い状態が続く「エルニーニョ現象」も影響したとしている。気象庁によると、日本も24年は91~20年平均を1・48度上回り、1898年の統計開始以降で最も高かった。

 15年に採択された気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」は、気温上昇を産業革命前と比べて2度未満、できれば1・5度にとどめる目標を掲げた。その後、国連の会議で「1・5度」が事実上の世界共通目標となった。目標を超えたと判断するには、1・5度超の状態が長期間続いていることを確認する必要があるが、C3Sを運営する欧州中期予報センターのサマンサ・バージェス博士は「私たちは1・5度を超えるかどうかの瀬戸際に立たされており、過去2年の平均はそのレベルを既に上回っている」と指摘した。【大場あい】

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