強い冬型の気圧配置によって、10日も北海道から中国地方の日本海側を中心に大雪が降り続いた。太平洋側の平野部を含む広範囲で積雪が観測され、各地で交通機関の乱れや物流の混乱が起きた。今回の寒波はピークを過ぎたとみられるが、11日にかけても一部では大雪が予想され、気象庁は警戒を続けるよう呼びかけている。
気象庁によると、10日午後5時時点の積雪は青森市酸ケ湯で371センチで、平年の約1・6倍。岐阜県白川村では179センチで、平年の2倍を超えた。名古屋市や京都市、福岡市でも積雪がみられた。
72時間降雪量の最大値(午後5時時点)は、白川村で128センチ、福島県金山町で116センチなど、100センチを超えた地点が複数あった。総務省消防庁によると、青森県と福島県で8日から10日午後7時までに、1人が死亡、計5人が重軽傷を負った。
大雪の影響で、各地の交通は大きく乱れた。山形新幹線は始発から全線で運転を見合わせ、午前11時に運転を再開したが、午後2時過ぎまでに上下計13本が運休した。東海道新幹線は米原地区での雪の影響で、名古屋―新大阪間の一部区間で速度を落として運転。上下計91本が最大54分遅れ、約7万1000人に影響した。
高速道路でも通行規制が相次いだ。国土交通省によると、10日午後2時時点で名神や東名、東九州道など7路線の計39区間が通行止めに。空の便では、午前11時までに日本航空や全日空などの計11便が欠航した。
物流も混乱した。日本郵便やヤマト運輸によると、各地で郵便や宅配便の配送に遅れが出ており、一部地域では発送などの受け付けを停止している。
11日は冬型の気圧配置が次第に緩むとみられるが、午前中を中心に強い寒気の影響が残る見込み。11日午後6時までに予想される24時間降雪量は、多い所で東北、関東甲信地方50センチ▽北陸、近畿、中国地方40センチ――。【木原真希、井川加菜美】