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金閣寺うっすら雪化粧 西日本各地で大雪 交通網乱れ、事故相次ぐ

毎日新聞 2025年1月10日 20時33分

 日本列島は10日、強い冬型の気圧配置の影響で北日本から西日本の日本海側の山間地を中心に大雪が続いた。各地で事故が相次ぎ、交通網や物流も乱れた。上空の寒気は11日午前まで残る見通しで、気象庁は暴風雪や路面の凍結への警戒を引き続き呼びかけている。

 気象庁によると、各地の積雪量は10日午後5時現在、東北地方を中心に複数の地点で100センチを超え、青森市酸ケ湯では371センチに達した。

 西日本では日本海側や山間部で平年を大きく上回る積雪が観測され、広島県北広島町(八幡)114センチ▽岡山県真庭市61センチ▽京都府京丹後市24センチ▽兵庫県豊岡市20センチ▽鳥取市7センチ――などとなった。京都市でもこの冬初めて積雪を記録し、金閣寺は屋根にうっすら雪が積もる雪化粧をした。

 「今季最強」とされる寒波の影響で事故が相次いでいる。

 兵庫県豊岡市の城崎大橋付近では9日、川に転落した軽乗用車が発見され、車内から救出された会社員の男性(22)が意識不明の重体。県警は車が雪でスリップした可能性があるとみている。福井県大野市でも自宅の小屋で雪下ろしの作業中だった70代男性が屋根から転落し、足を骨折する事故が起きた。

 大雪に見舞われた石川県珠洲(すず)市を含む県北部の複数の道路では、雪を溶かす消雪装置が使えない状況が続いている。能登半島地震で地中の送水管が破損したことなどが原因で、県や市が除雪車や融雪剤の散布で対応している。

 各地の交通網は大きく乱れた。山形新幹線は始発から全線で運転を見合わせ、午前11時に運転を再開したが、午後2時過ぎまでに上下計13本が運休した。東海道新幹線は米原駅周辺での雪の影響で、名古屋―新大阪間の一部区間で始発から速度を落として運転。上下計91本が最大54分遅れ、約7万1000人に影響した。

 JR西日本は京阪神地区と山陰地方を結ぶ特急列車「スーパーはくと」の運転を上下計4本取りやめたほか、北陸線や湖西線の一部区間で本数を減らして運行した。

 高速道路でも通行規制が相次いだ。国土交通省によると、10日午後2時時点で名神や東名、東九州道など7路線の計39区間が通行止めに。空の便では、午前11時までに日本航空や全日空などの計11便が欠航した。

 物流にも影響が広がっている。日本郵便は福岡県や徳島県などの一部の郵便局の窓口業務を休止した。船舶便の欠航や道路事情などで近畿地方や中国地方などに配達する郵便物が遅延しているという。

 寒波のピークは過ぎつつあるが、11日も午前中を中心に寒気の影響が残り、大雪となる所がある。11日午前6時までに予想される24時間降雪量はいずれも多いところで、東北・北陸・近畿・中国60センチ▽関東甲信・東海50センチ▽北海道40センチ▽四国15センチ▽九州北部10センチ。【洪玟香、木山友里亜、阿部弘賢、高橋隆輔】

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