神戸市垂水区西舞子の山陽電鉄の踏切で9日午後、中国籍の女性2人が電車にはねられて死亡する事故があり、この2人は踏切内で隣接した横断歩道の信号待ちをしていた可能性があることが兵庫県警への取材で明らかになった。県警が当時の詳しい状況を調べている。
現場は西舞子―大蔵谷間の遮断機と警報機が付いた踏切。線路に並行して国道2号が通り、踏切の南側には国道にかかる信号機付きの横断歩道がある。
県警垂水署によると、9日午後3時50分ごろ、2人は阪急神戸三宮発山陽姫路行きの普通電車(3両編成)にはねられて亡くなった。約50人の乗客にけがはなかった。
死亡したのは楊景文さん(24)と張新恰さん(23)で、いずれも所持品から日本に短期滞在中だったとみられる。
県警が電車の運転士に当時の状況を確認したところ、「2人は横断歩道の方を向いて、踏切の内側に立っていた」と証言した。この踏切は両側に遮断機に加え、車の進入を防ぐ複数のポールが設けられている。2人が誤って遮断機とポールより線路側に立ち、横断歩道の歩行者用信号が切り替わるのを待っていた可能性があるという。【木山友里亜】