福岡国税局は、インターネット公売で高級ブランド「エルメス」のバッグ「ケリー」を最低入札価格308万円で出品している。同局(福岡市博多区)で10日、報道関係者向けに公売財産が公開された。
今回の公売には税金の滞納者から差し押さえた計130件が出品され、最低入札価格の合計は約7930万円に上った。同局が年4回実施する公売のうち、出品件数は1回につき数十件程度という。
出品された「ケリー」はモナコ公国公妃のグレース・ケリーの名にちなみ、入手困難なバッグで知られる。ケリーを含むバッグやスカーフ、食器などエルメス製が大半で、不動産や自動車もある。ブランド品などは、鑑定業者の意見を参考に見積もりして価格を決めており、真贋(しんがん)の鑑定はされていない。
同局の担当者は「100件を超えるのは珍しい。多くの方に公売に参加いただければ」と呼びかけている。参加申し込みはサイト「KSI官公庁オークション」で24日午後5時まで。入札期間は2月4~6日。
国税庁によると、2023年度末の国税の滞納残高は9276億円で、4年連続で増加している。【山崎あずさ】