東京都は2025年10月から、出産時の痛みを麻酔で和らげる「無痛分娩(ぶんべん)」費用を助成する。25年度予算案の編成に向けた知事査定で11億円を計上する方針が決まった。少子化が進むなか、親の経済負担を軽減し、出産しやすい環境を整える狙いだ。無痛分娩費用の助成は都道府県では初めてとなる。
11日の知事査定を終えた小池百合子知事が報道陣の取材に明らかにした。小池知事は「無痛分娩を希望する女性が、費用やリスクを理由に無痛分娩を断念することなく、安心して出産できる環境を整える」と述べた。小池氏は3選した24年7月の都知事選で無痛分娩費用の助成を公約に掲げていた。
都によると、助成対象は都内の医療機関で無痛分娩をする都内在住の妊婦。最大10万円を助成する。
近年、無痛分娩を選ぶ妊婦は増えている。日本産婦人科医会によると、全分娩に占める割合は17年に5・2%だったが、22年は11・8%まで上昇。痛みやストレスが軽減され、出産後の回復が早いことなどのメリットが広く理解されるようになったとみられる。
無痛分娩を選ぶ上でネックの一つが費用だ。厚生労働省によると、24年度上半期、出産費用は全国平均約51万8000円。東京都は最も高い約64万6000円だった。無痛分娩を選べば、一般的な経膣(けいちつ)分娩と比べ10万~15万円程度の追加負担が生じ、国から支給される出産一時金50万円を大きく上回る。また政府が出産費用に公的医療保険を適用する検討を始めたものの、無痛分娩は対象外と見込まれる。【山下俊輔】