新春を飾る将棋タイトル戦、ALSOK杯第74期王将戦七番勝負の第1局(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催、ALSOK特別協賛、囲碁・将棋チャンネル、立飛ホールディングス、森永製菓、名古屋鉄道、島田掛川信用金庫、ゼロの会、静岡県掛川市協賛)が12、13の両日、掛川市の掛川城二の丸茶室で指される。藤井聡太王将(22)に、長年2人だけの研究会を続け、最も気心の知れた永瀬拓矢九段(32)が挑む。藤井王将は4連覇と同時に、谷川浩司十七世名人と並ぶ歴代5位のタイトル通算27期を懸けた戦いになり、4期ぶりの登場となる永瀬九段は初戴冠を目指す。
両者は過去、1日制五番勝負のタイトル戦を3度戦い、すべて藤井王将が制している。2日制のタイトル戦は今期王将戦が初めてで、より精度の高い作戦や終盤の競り合いが期待される。
11日に現地入りした2人は、対局室を検分した後、記者会見に臨んだ。藤井王将は「永瀬九段と2日制を指すのは楽しみな気持ち。一手一手深く考えて精度の高い将棋を指すことが求められると思うので、2日間しっかり集中して戦っていければ」、永瀬九段は「藤井王将はどんな状態でも素晴らしい将棋を指すので、こちらがよい将棋を指すしかないと思って準備をしてきた。(3連敗した)昨年の王座戦は結果は振るわなかったが、大きな収穫があったので、それを生かしたい」とそれぞれ決意を語った。
対局は12日午前9時開始。午後6時の手番が指し手を封じ、13日に指し継がれる。持ち時間は各8時間。立会は森内俊之九段、解説は神谷広志八段、記録は伊藤明日香女流初段が務める。【新土居仁昌、武内亮】