特定抗争指定暴力団・絆会が本部を置く大阪市中央区のビルと土地が、民間に売却されていたことが捜査関係者への取材で明らかになった。特定抗争指定暴力団への指定などでビルへの立ち入りが禁止されており、使用を断念したとみられる。
登記簿や捜査関係者によると、ビルは5階建てで、2011年1月に絆会の織田絆誠(よしのり)会長が土地とともに取得。しかし、24年12月23日付で中国籍の男性へ売却されていた。
絆会は23年7月、本部を兵庫県尼崎市から売却したビルに変更。ただ、23年12月に大阪地裁が使用差し止めの仮処分決定を出した。さらに24年6月には、対立する山口組とともに暴力団対策法に基づく特定抗争指定暴力団に指定され、事務所として使用できない状況が続いていた。
大阪府警幹部は「絆会自体がなくなったわけではないので、今後も組織の動向を注視する」と話した。