Infoseek 楽天

「孫みたい」と高齢者に好評 高校生によるスマホ教室、気軽に質問

毎日新聞 2025年1月16日 16時30分

 スマートフォンの操作が苦手な高齢者のため、高校生が先生役となって使い方を教える取り組みが鹿児島県垂水市で始まった。2024年12月11日にあった初回は県立垂水高生徒会などの1、2年生5人が69~93歳の5人に教えた。受講者からは「孫みたいな年齢で質問しやすかった」と好評で、2月19日に2回目を開く。

 垂水高の生徒は市役所でインターンシップを経験している。生徒らはその中で、まちの将来像などを語り「困っている高齢者のためにスマホを教えられれば」と提案。スマホ教室の開催につながった。垂水市内では一部の大手携帯電話事業者の販売店が24年11月に撤退し、身近でスマホの使い方を学べる機会が求められていた。

 市企画政策課は広報誌で参加者を募集し、さらに「スマホでしたいこと、困っていること」を尋ねた。すると、写真の保存▽QRコードの読み取り▽各種アプリの使用▽メールの操作――などの声が寄せられた。

 高校生らはこれらに必要な資料を準備し、教え方を予習して教室に臨んだ。課外活動としてボランティアで先生役を務め、マンツーマンで丁寧にスマホの使い方を教えた。

 参加した女性(69)は「読みたい本の注文をしたくて手を挙げた。業者の人より尋ねやすく、生徒は真面目に親切に教えてくれ、本も入手できてうれしかった」と話した。「もっといろんなことを聞きたい」とも語った。

 教える体験をした同高生徒会副会長の新村京太郎さん(2年)は「ちゃんと教えられるか心配だったが、受講者が笑顔で受け答えしてくれ、やりやすかった」と手応えを感じていた。

 第2回教室の参加者はスマホを持つ65歳以上の市内在住者が対象で、同課(0994・32・1143)が募集中(先着順)。同課の福永幸代・主任主事は「高齢者と生徒のコミュニケーションの場にもなり、来年度以降も続けたい」と話している。【梅山崇】

この記事の関連ニュース