将棋の谷川浩司十七世名人(62)は15日、大阪府高槻市の関西将棋会館で指した第83期名人戦順位戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)B級2組8回戦で郷田真隆九段(53)に勝利し、史上3人目となる公式戦通算1400勝を達成した。1976年12月20日、中学2年でプロになって以来48年0カ月での到達で、大山康晴十五世名人の生涯勝ち星1433勝まで33勝に迫った。歴代1位は羽生善治九段(54)の1577勝(15日現在)。
「光速の寄せ」の異名で知られる谷川十七世名人は、切れ味鋭い攻め将棋を身上とする。若い頃は羽生世代の棋士たちと激闘を重ね、名人5期、王将4期などタイトル計27期、NHK杯戦などの棋戦優勝22回の実績を築いてきた。負けは945敗で、1400勝到達時の勝率は5割9分7厘。今期順位戦の成績は4勝4敗の五分に戻した。
谷川十七世名人は終局後「40代を過ぎてなかなか勝てなくなったが、一つ区切りをつけられたのは、ちょっとほっとしています」と喜んだ。神戸市の自宅で被災した阪神大震災発生30年の2日前の記録達成になった。「あの時は将棋が指せるだけで幸せなことだと思い(羽生九段の7冠を阻止した)王将戦では神戸のためにという気持ちも強かった」と振り返った。【新土居仁昌】
通算勝数ランキング
①羽生 善治※ 1577勝713敗
②大山 康晴 1433勝781敗
③谷川 浩司※ 1400勝945敗
④加藤一二三 1324勝1180敗
⑤中原 誠 1308勝782敗
(2025年1月15日現在、※は現役)