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イスラエルとハマスの停戦合意 被爆者「一時的にならないか心配」

毎日新聞 2025年1月16日 18時49分

 パレスチナ自治区ガザ地区で2023年10月以降、戦闘を続けてきたイスラエルとイスラム組織ハマスが停戦に合意した。ガザの保健当局によると、ガザ側の死者は女性や子どもを中心に4万6000人以上。犠牲が増え続ける状況に心を痛めてきた被爆者らは恒久的な停戦につながるよう願った。

 長崎県平和運動センター被爆者連絡協議会議長で被爆者の川野浩一さん(85)=同県長与町=は今月9日の長崎市の平和公園での「反核9の日座り込み」に参加した際、「ガザではどんな正月を迎えているのか。彼らは死ぬ自由さえも許されていない」と嘆いていた。今回の停戦合意に「良かったが、これが単に一時的な合意で終わらないかが心配だ。恒久的に続けていく努力を、国連が中心となって率いていってほしい」と語った。

 福岡県糸島市の映画配給会社「ユナイテッドピープル」は戦闘開始後、現地の状況に関心を持ち続けてもらおうと、ガザを舞台にしたドキュメンタリー映画4本を劇場公開してきた。代表の関根健次さん(48)は「まずは、停戦合意の内容が今後しっかりと守られることを期待したい。1年3カ月に及ぶ攻撃で人の命も建物も、多くが失われた。パレスチナ人とイスラエル人双方が傷を再び憎しみに変えるのではなく、未来を見据えて共存の道を選んでほしい」と願う。

 関根さんは1999年と2006年にガザを訪れた。「ガザの再建には数十年の時間がかかるだろう。ガザ地区を再び訪れ、再建のために何ができるのかを探りたい。日本を含め国際社会が心を寄せ続ける必要がある」と話した。【尾形有菜、遠藤孝康】

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