死者6434人を出した阪神大震災(1995年)の発生から17日で30年になる。追悼行事「1・17のつどい」が開かれる神戸市中央区の東遊園地で16日夕、数千本の灯籠(とうろう)に火がともされ、「よりそう」の文字が浮かび上がった。
文字は、震災当時から今に至るまで被災者や遺族同士が寄り添ってきたことを踏まえ、つどいの実行委員会が決めた。他の大規模災害の被災地のことも忘れずに支えようという思いも込められている。
会場に集まった人たちは敷地内の「希望の灯(あか)り」から火を移し、発生から半日前の午後5時46分に黙とうをささげた。
同市中央区の塩浜由美子さん(69)は大学時代を過ごした町や義母が住む尼崎市の当時を思い出し、「30年たっても心の傷を持ち続ける人がいる。そういった人に寄り添おうと改めて思った」と話した。
能登半島地震の発生時刻・午後4時10分にも黙とうがあり、石川県輪島市町野町から訪れた曽々木地区自治会長、刀祢(とね)聡さん(68)は「震災から立ち上がった神戸の人々の思いを受け継ぎ、能登のこれからを考えていきたい」と語った。【山本康介、大野航太郎】