福岡市は16日、準公金にあたる現金約579万円を横領し、私的に流用したとして東区地域支援課の男性係長(53)を懲戒免職処分にしたと発表した。係長は既に全額返済したとして、市は刑事告訴はしない方針。管理責任を問い、上司2人を戒告処分にした。いずれも同日付。
市によると、係長は2022年4月~24年4月、市内の銀行などから17回にわたり、東区自治組織会長会名義の口座から運営経費579万5572円を引き出した。同会の通帳と印鑑を区役所内の金庫で保管するルールが守られておらず、係長が個人で管理したとみられ、休日にも不正に引き出していたという。
同4月に通帳を管理する担当者が代わり、同11月に市が取引履歴を確認して発覚した。係長は引き出しを認める一方、私的流用は否定。引き出された現金は同8月までに106円多く入金されたことが判明し、市は「係長が口座に戻す金額の計算を間違えたのではないか」とみている。
問題発覚を受け、市は全7行政区で会長会の通帳の管理などを確認したが、ずさんな体制は東区だけだった。今後、全庁的に準公金などの取り扱いの体制を調査する。
市はこの他、市のごみ処理手数料840円を支払わずに自宅の粗大ごみなどを不正に処分したとして環境局の男性職員(62)を減給(給与日額2分の1)、不適正な事務処理を繰り返した東区の男性職員(24)を停職6カ月とした。【竹林静】