LGBTQなど性的少数者を理解し、支える人々「アライ」を増やそうと、高知大医学部付属病院(高知県南国市)が院内職員向けに取り組んでいる「アライ養成研修」の受講者数が1月、100人を超えた。同病院は「誰もが安心して診察・治療を受けられる医療機関を目指す」として、引き続き活動に取り組んでいく。
同病院は、多様な性的指向や性自認を表す「SOGI(ソジ)」への理解を広めるため、23年6月に「SOGI支援チーム」を設けた。現在のメンバーは18人で、月1回の会議で誰もが使いやすいトイレや更衣室のあり方などについて討議・提案を行っている。
「アライ養成研修」は、多様性を受け入れる社会づくりの一環として24年5月から始まり、25年1月10日の9回目の研修に11人が参加。24年度の参加者は計109人となった。
1月の研修では、LGBTQ当事者などで構成する「レインボー高知」の宮田真代表(45)から、受診時の注意点などについて指摘を受けた。具体的な当事者の声として「問診票の性別欄で性自認とは違う性にチェックを入れなければならないのが苦痛」「『以前は女性になっていますが、いまは男性ですか?』と聞かれたが、小声で聞いてほしかった」などが紹介された。
宮田代表の経験からも、LGBTQ当事者は病院で嫌な思いをすることが多く、必要な受診が遅れてしまうケースがあるという。研修の参加者の1人は「多様性を理解することの大切さがよくわかった」と話していた。【小林理】