第172回芥川賞の発表から一夜明けた16日、受賞作「ゲーテはすべてを言った」の著者で西南学院大の大学院生、鈴木結生(ゆうい)さん(23)が学生生活を送る福岡市内では、喜びや期待の声が聞かれた。
福岡市中央区のジュンク堂書店入り口近くに設けられた芥川・直木賞関連の売り場には、「福岡の星☆ 祝芥川賞」などと鈴木さんの受賞を伝える張り紙と共にサイン色紙が飾られ、お祝いムードに包まれた。来店客で福岡市早良区の会社員、砥上大輝さん(25)は「鈴木さんは同世代で、受賞はすごい」と祝福した。単行本は17日に入荷予定で、文芸担当の店員(43)は「地元の人が書いた本なので、本を読むきっかけにつながればうれしい。私もいち早く読みたい」と期待を寄せた。
また、中央区の繁華街・天神の新天町商店街にある福岡金文堂本店の手塚由紀子店長は「地元の人、かつ若い大学院生ということで注目が集まり、普段はなかなか本を買わない人たちにも本屋を訪れてもらえると期待している。小さな書店なのでこれから発注しても九州に本が届くまでには2~3日は時間がかかる。こればかりは申し訳ないが楽しみに待っていただきたい」と話した。【長岡健太郎】