大学入学共通テストが18、19の両日、全国651会場で実施される。2022年度から高校で始まった現行の学習指導要領に基づく「新課程」に対応した出題となる。全体の教科・科目数は、旧指導要領の内容を反映した「旧課程」が6教科30科目だったのに対し、新課程は7教科21科目となる。旧課程の科目も経過措置として今回に限って実施される。
共通テストの志願者数は前年より3257人多い49万5171人。初日の18日は地理歴史と公民、国語、外国語、19日は理科と数学、新課程で導入される情報の試験を実施する。
新教科の情報には科目として新課程の「情報Ⅰ」と旧課程の「旧情報」があり、受験生はどちらかを選択できる。情報Ⅰはプログラミングやデータ分析を含む内容になるとみられる。
旧情報以外では、教科「地理歴史」「公民」でも経過措置がとられる。旧課程の「旧日本史B」「旧世界史B」に対応する形で、新過程で「歴史総合、日本史探究」「歴史総合、世界史探究」などが設けられた。
歴史総合を含む科目では、従来よりも多面的な考察力が重視される。教科書などで扱われていない資料から情報を読み取り、学んだ知識を関連付ける問題などが出る可能性もある。
また、例えば旧課程では2科目となっている「旧現代社会」「旧倫理」は、新課程では「公共、倫理」に一本化される。公共を含む科目は主権者教育を意識した内容となりそうだ。
国語では大問の数は従来の4問から5問へと増える。新設されるのは「実用的な文章」の読解力などを測る問題で、記録や報告、報道などが題材になるとみられる。
試験前には近年、SNS(ネット交流サービス)上で、遅刻を避けたい受験生が通報をためらうと考えて痴漢をあおるような投稿がみられる。警察庁によると、今年は全国で約3300人の警察官を導入し、列車や駅構内などで警戒・取り締まりにあたる。被害に遭った場合は、追試験(25、26日)を利用できるように警察が受験会場に連絡するなどの対応を取る。
気象庁の各地の予報によると、18、19の両日とも天気が大きく乱れる可能性は低そうだが、大学入試センターは時間に余裕を持った行動を求めている。また、厚生労働省によると、インフルエンザは警報水準の流行が続いている。受験票に記載の「問合せ大学」に連絡し、荒天による交通機関の運休や体調不良などは追試験の対象となり得る。【斎藤文太郎】
共通テストの問題と正答は、主な科目について19、20の両日の朝刊に掲載します。全科目については当日の全試験終了後、毎日新聞デジタルでご覧になれます。ダウンロードも可能です。