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嵐電、24年ぶりに新車導入 緑とクリームのツートン車両は引退へ

毎日新聞 2025年1月18日 17時22分

 京都市内で唯一の路面電車を運行する京福電鉄(嵐電)は17日、24年ぶりに新型車両を導入し、2月28日に運行を始めると発表した。新造した「KYOTRAM(きょうとらむ)」(モボ1形)は、快適で新たな機能を備えつつ、かつての路面電車に見られた円いクラシックなフォルムで「土地に根付いて電車と街と人の魅力的な風景をつくる」ことを目指したという。

 17日は京都市中京区の車庫で「京紫(きょうむらさき)」と呼ぶ紫色の車両を報道機関に披露。外観を最も特徴付ける、LEDの前照灯は、クラシックカーのように銀色のフレームが輝く。

 嵐電では初めて両引き戸のドアを採用。従来の車両の片引き戸より幅を10センチを広げ、乗り降りしやすくした。乗降口付近も広くとり、テーブルを設置。荷棚や中づり広告は無くし、車内を広々と見せるようにした。

 24席設けた座席は、1人ずつ快適に腰掛けられるようクッションが体を包み込む形の「バケットシート」。安全面では、車両側面に監視カメラを初めてつけた。省エネルギーのインバーターと発電機能があるブレーキも搭載。嵐電の営業車両27両のうち最も長い半世紀を走り続けてきた「モボ101形」6両と「301形」1両に比べ、消費電力は約半分になるという。

 「KYOTRAM」の新造は旧形の老朽化に伴うもので、2028年度までに計7両造る。101形、301形の7両は順次引退させ、かつて嵐電を象徴した、緑とクリームのツートンカラーの車両は姿を消すことになる。

 嵐電はロゴマークも約15年ぶりに刷新。叡山電鉄の「ひえい」も手がけた「GKデザイン総研広島」が、「KYOTRAM」とあわせてデザインした。

 2月28日は嵐山本線で臨時運行。午後3時58分に四条大宮、同4時28分に嵐山を発車する。以降は北野線も含め両線を走る。

 また、28日は別に2便を体験乗車向けに運行する。抽選で計60人。無料。受け付けを1月31日正午に公式サイトで開始する。【南陽子】

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