19日に実施された大学入学共通テストの化学の問題に、平安時代の作家・清少納言による「枕草子」が登場した。2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」でも描写された一節が題材となった。化学の問題に古文が出てくるミスマッチに、SNS(ネット交流サービス)では驚きの声が上がった。
18日にあった国語では、ドラマの主人公・紫式部が書き残した「源氏物語」が14年の旧大学入試センター試験以来、11年ぶりに出題され「光る君へ」の放送と関連付けて話題となった。
同じく18日実施の「歴史総合、日本史探究」では、「光る君へ」でも描かれた「刀伊の入寇(にゅうこう)」が題材になった。X(ツイッター)では「出題者みんな『光る君へ』見てたな」という投稿もあった。
枕草子が題材となったのは、化学反応が起こる際に余分なエネルギーを光として放出する「化学発光」についての問題。化学発光ではないものを選ぶ形式で、枕草子で夏を描写した一節の「(蛍が)ほのかにうち光りて」が選択肢の一つになった。ホタルの光が化学発光がどうかを考えさせる問題だった。
ほかの選択肢は、科学捜査におけるルミノール反応による光▽ケミカルライトの光▽ネオンサインの光――で、化学発光でないものはネオンサインの光だった。
ドラマでは、物語の中盤にファーストサマーウイカさん演じる清少納言が一条天皇の中宮・藤原定子のために枕草子を執筆。「夏は夜」と紙に書き始める清少納言が視線を上げるとホタルの光が漂うシーンがあった。SNSでは「焦ったわー」「枕草子は笑う」「科目見返したわ」などと反応があった。【井川加菜美】