山口県美祢市は17日、第三セクター「美祢観光開発」が指定管理する「道の駅おふく」の温泉施設で、2023年10月と11月に基準値を超えるレジオネラ菌が検出されたにも関わらず、市や保健所に報告せず営業を継続していたと発表した。現時点で利用者からの健康被害の報告はない。施設の温泉を今月10日から利用停止とし、配管などの洗浄をしている。
市によると、施設では23年10月に水質検査を実施。施設内4カ所から基準値を超えるレジオネラ菌が検出されたが、管理者が市に報告せず営業を継続。1カ月後の11月の2回目の検査でも施設内1カ所でレジオネラ菌を検出したが、それでも営業を続けた。12月の3回目の調査で菌は検出されなくなった。
市は菌検出の事実を25年1月、保健所の立ち入り検査での指摘により把握した。指定管理者から「検査水の採取方法に手違いがある」との説明を受け、市も保健所への報告を怠ったとしている。直近の24年10月の水質検査ではレジオネラ菌は検出されていない。市は「報告ミス」とした上で「市と指定管理者との衛生管理の認識などが不十分だった」としている。篠田洋司市長は「ご迷惑をおかけし深くおわびする。安心して施設を利用できるよう衛生管理に対する認識を高める」とコメントした。【杉山恵一】