阿部俊子文部科学相は21日の閣議後記者会見で、毎日新聞のアンケートで国立大学の約3割が授業料標準額を「見直すべき」だと回答したことについて「丁寧に検討していくことが必要だ」と述べた。
年額53万5800円と定められている国立大授業料の標準額は、2005年に改定されて以来、20年間据え置かれている。各大学の判断で2割を上限に引き上げることができると定めており、24年に東京大が値上げを発表した。
毎日新聞が全国の国立大を対象に実施したアンケートでは、独自に値上げを検討しているのは1割に満たない一方、約3割が標準額を「見直すべき」だと回答。一定数が国による値上げを期待している状況が浮かんだ。
阿部氏は授業料について、有識者による検討会で議論していることに触れ「検討会の議論の状況を踏まえながら検討することが必要」と述べた。また、国立大への支援について「25年度予算案で運営費交付金1兆784億円を計上した。各大学が安定的、継続的に教育研究活動を実施できるよう取り組みたい」と強調した。【井川加菜美】