広島、長崎への原爆投下から80年を迎える中、核兵器廃絶について国内外の専門家や被爆者と共に考える「被爆80年 核兵器をなくす国際市民フォーラム」が2月8、9日に東京都渋谷区の聖心女子大で開かれる。
ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会（日本被団協）代表委員の田中熙巳（てるみ）さん（92）が基調講演をするほか、フォーラムで話し合った内容を提言にまとめて3月に米ニューヨークで開かれる核兵器禁止条約第3回締約国会議に提出する。
主催する一般社団法人「核兵器をなくす日本キャンペーン」の浅野英男さん（28）は「被爆80年という節目に核兵器廃絶を目指す大きなうねりを作りたい。フォーラムを通じて国内の世論が高まり、政治の指導者がリーダーシップを発揮してほしい」と期待する。
8日は全体会で、田中さんのほか第1回締約国会議で議長を務めたオーストリアの外交官や仏領ポリネシアで核実験の被害を受けた地元の国会議員ら約30人が登壇。世界の核被害と被害者援助、核禁条約の核保有国への拡大、北朝鮮や中国などの核軍縮――についてパネル討論をする。9日は国連の近年の動向、宗教やジェンダーの視点からの考察といったテーマで分科会が開かれる。ほぼ全てでオンライン視聴可。ワークショップや被爆者の証言を聴くコーナーも設けられる。
チケットは前売りで一般3000円（1日のみ参加は2000円）、15～24歳は2000円（同1500円）。14歳以下の来場参加とオンライン視聴は無料。購入や詳細はウェブサイト（https://2025forum.nuclearabolitionjpn.com）へ。【竹内麻子】