箱根芸者による「芸者カフェバーはな」が23日、箱根湯本(神奈川県箱根町)にオープンする。33軒の置き屋で作る箱根湯本芸能組合(舘美喜子組合長)が国内外の観光客らと触れ合う場として、組合の事務所(見番(けんばん))をリフォームして新しい挑戦に乗り出す。【本橋由紀】
箱根芸者は宴席に呼ばれ、接客とともに唄や踊りなどの芸を披露して客を楽しませている。1989~90年ごろには400人を超える芸者がいたという。現在は、芸者が呼ばれる宴席が減り、18歳から70代までの約130人が組合に所属している。
見番には踊りの稽古(けいこ)や年1回のおさらい会をする舞台があるが、夜は使われていない。広報担当の竹沢政子理事によると、2023年ごろから「この場を活用しよう」というアイデアがもちあがったという。箱根町観光協会などから、「夜間に案内できる場が少ない」などの相談もあった。
カフェバーは午後6時から午前0時まで、2~3人の芸者が交代で店に立つ。店内はカウンターとテーブル、小上がり席がある。外からふらっと入れる雰囲気を重視し、目に留まりやすいように赤い看板を設置、着物姿で店内にいるところなど、中の雰囲気が見えるつくりにした。
芸者の伊央さんは「飲食業はみんな初めてでまだ戸惑いはあるが、この間、昼から夜までずっと準備してきた。地元でかわいがられる存在にしたい」と話した。
1月は休まず営業する。2月からは日曜日と月曜日を定休にし、第1・第3土曜日は午後8時から唄や踊り、お遊びなどを楽しめるイベント「ふらっと芸者」(40分、ワンドリンク付き3000円)を開く。