愛知県は22日、同県長久手市の「ジブリパーク」で、宮崎駿監督(84)が愛用していた車「シトロエン2CV」を展示すると発表した。29日から「ジブリの大倉庫」内で公開される。
県によると、宮崎監督はシトロエン2CVを長年愛用し、乗り継いでいたという。長編アニメ映画で初監督を務めた「ルパン三世 カリオストロの城」(1979年公開)にも登場する。
長男で映画監督の宮崎吾朗氏(58)が生まれてくるのに合わせ、保育園の送り迎えのために初めて購入した車がシトロエン2CVだった。ボディーから飛び出したヘッドライトが特徴のフランスの小型大衆車で、次第にその魅力にほれ込んで手放せなくなっていく様子を描いたオリジナル漫画「宮崎駿の2CV物語」も、展示と併せて観覧できる。
22日に記者会見した大村秀章知事は「ジブリパークにまた一つ、新たな魅力が加わる。未来永劫(えいごう)大事にしていきたい」と喜んだ。
大村知事は2023年9月のイベントの中で、宮崎監督が運転免許を自主返納し、シトロエン2CVをジブリパークに展示することになったと明らかにしていた。「『早くちょうだいよ』と言っても、(宮崎監督は)乗らなくなってもしばらく毎日エンジンをかけていた。本当に好きだったんだと思う」と話した。
吾朗氏は「宮崎家では乗ることがなくなりましたが、たくさんの思い出が詰まった2CVです。ジブリパークで末永く大切にしていただければ幸いです」とのコメントを出した。【加藤沙波】