沖縄県で米兵による性的暴行事件が後を絶たない現状を受け、県内の女性団体などは22日、那覇市の県庁前広場で抗議集会を開いた。主催者発表で約250人が参加。米軍が講じた綱紀粛正や再発防止策が機能していないとして、実効性のある対策を日米両政府に求めた。
主催者の共同代表を務める高良沙哉(さちか)沖縄大教授は抗議声明を読み上げ、「米軍は、自らの兵士が平時の沖縄で民間人に対して凶悪犯罪を起こさないように統制する義務がある」と指摘。新たな再発防止策を求め、日本政府にはより強く米側に抗議するよう求めた。参加者は「性暴力許さない」と書いたメッセージボードなどを手に、黙って抗議の意思を示す15分間の「サイレントスタンディング」をした。
県内では2024年3月以降に米兵が性的暴行事件で相次いで検挙されていたことが、6月に報道で発覚した。県や県議会、各市町村議会は日米両政府に抗議。在日米軍司令部は10月、基地外で兵士の飲酒を制限する内規の運用を強化し、性犯罪防止の教育を完了していない兵士の基地外への外出を不許可にするとした。
しかし、県警は今月、沖縄本島で24年11月に面識のない成人女性を暴行したとして米海兵隊員の男性を不同意性交等致傷容疑で書類送検。新たな事件発覚を受け、12月に沖縄市で抗議の県民大会を開いた実行委員会がこの日の集会を企画した。駆けつけた沖縄県豊見城市のアーティストの女性(34)は「あきらめずに声を上げ、(2歳の)めいが大きくなるまでに状況を変えたい」と語った。【比嘉洋】