経済産業省に飼育を委託された絶滅危惧種「ビルマホシガメ」の数を水増し報告し、保護に関する管理費を詐取したとして、警視庁生活環境課は23日、サンシャイン水族館(東京都豊島区)の元館長(60)=埼玉県富士見市=や、現職の副館長(59)=東京都品川区=ら男性4人を詐欺容疑で書類送検した。
警視庁によると、水族館は1999~2003年に、密輸入されたビルマホシガメ計23匹の飼育を経産省から委託された。徐々に飼育スペースの確保が難しくなり、当時の職員が愛好家に計10匹を譲り渡したが、委託された数のままで報告を続けていた。02年度からの19年間で、計約189万円の管理費を不正に得ていたとみられる。
書類送検容疑は18年10月~22年4月、飼育を委託されたビルマホシガメが実際は8~9匹しかいないのに、10~12匹いるとする虚偽の書類を経産省に提出し、管理費計約15万円をだまし取ったとしている。4人は「水族館の飼育管理能力が疑われると考えて、帳尻あわせをしていた」などと供述し、いずれも容疑を認めているという。
警視庁は、水族館から譲り受けた計10匹のビルマホシガメを繁殖させ、うち2匹を4万円で売買したとして、沖縄県本部町のダイビングショップ経営者の男性(57)ら男女3人を種の保存法違反(譲り渡しなど)の疑いで逮捕した。3人とも容疑を大筋で認めているという。
ビルマホシガメはミャンマー原産のリクガメで、絶滅が危惧されるとしてワシントン条約で国際取引が規制されている。【加藤昌平】