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JAL機長飲酒問題、会長・社長を減給 幹部は当初口外禁止を指示

毎日新聞 2025年1月24日 20時28分

 日本航空の国際線で出発前に機長と副機長(いずれも既に解雇)からアルコールが検出された問題で、日航は24日、赤坂祐二会長と鳥取三津子社長を減給30%(2カ月)とする処分を発表した。同社の幹部は当初、この問題について口外しないよう社員に指示していたという。

 鳥取社長は24日、国土交通省に再発防止策を報告し、記者団に「判断の誤りがあった。深く反省しており、申し訳ございません」と謝罪した。

 日航は赤坂会長について、社内の安全対策のトップである「安全統括管理者」の職から解任。安全推進本部長ら役員3人については、より厳しい処分を検討している。

 日航によると、機長と副機長は2024年12月1日、豪メルボルン発成田行きの便の乗務前日に規定量を大幅に超えて飲酒。出発前にアルコールが検出され、約3時間遅れて出発した。

 出発前、副機長の様子がおかしかったため、不安に思った客室乗務員が本社へ運航の可否を確認。しかし、検査の管理部門は状況を正確に把握せず、再検査でアルコールが検出されなくなったとして、副機長の乗務を容認した。

 日航は当初、検出が出発前だったため、国交省に報告する義務がないと判断し、鳥取社長もいったん了承したという。しかし、赤坂会長の指示で一転して報告することを決めた。航空法の規定では原則3日以内の報告が必要だが、最終的に報告したのは12月6日だった。

 機長は問題の後、複数の同僚に謝罪のメールを送っていた。幹部は受信者に「口外しないように」と指示し、機長を通じてメールの削除も求めたという。鳥取社長はこの対応について「かん口令みたいなことはやっていない。情報をしっかり管理しようという意味だった」と釈明した。

 日航は再発防止策として、飲酒に関して注意が必要な社員への指導の徹底や、運航に関わる問題が生じた際に関係者が同時に意思疎通できる仕組みの構築などを盛り込んだ。【原田啓之】

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