受験シーズンまっただ中。合格祈願のお守りとして、マンホールのふたをかたどったグッズが熱い注目を集めている。受験生にエールを送ろうと、各地の自治体の間でも関連グッズを制作し、配布する動きが広がっている。
マンホールは、下水管などに作業員が出入りするため、道路などに掘られた穴。通行人らが落下しないように丈夫なふたがかぶせられている。つまりは「落ちない」ためのふただ。
近年は各地の自治体がカラフルなデザインのふたを設置している。下水道事業者らでつくる下水道広報プラットホームは、全国の地方公共団体とご当地マンホールを紹介するマンホールカードをつくっており、マニアのコレクション魂をくすぐる。
このカードがいつからか、合格祈願のお守りとして受験生の間で重宝されるようになった。「落ちない」のほか、ふたの形が「すべて○(全問正解)」、表面に凹凸があって「滑らない」の意味が込められている。
各自治体でも受験生応援のため、合格祈願マンホールカードや缶バッジなどを期間限定でつくり、配布するようになった。
上下水道を所管する国土交通省も各自治体の情報を提供するサイトを作り、入手方法などを紹介している。国交省の担当者は「マンホールが受験生の心の支えになればうれしい」と話す。
それらの例を見てみると――。茨城県つくば市は、筑波山や宇宙船などをあしらったマンホールカードに同じデザインの缶バッジを合わせたセットを用意。新潟県加茂市のマンホールお守りは、市の花である紅白のユキツバキをデザインしたストラップタイプ。大阪府摂津市のマンホールカードは、「合格祈願」の印を押した袋に入っている。
自治体によっては、グッズの配布対象をその自治体の住民のみに限定している。受領希望者は事前に確認が必要だ。
大手受験塾の武田塾のウェブサイトでも「何かに5を書く(=合格)」や「志望校の方角に向かって校歌を歌う」などのおまじないを紹介している。日々の努力に加えて、プラス思考になれるお守りがあってもいいかもしれない。【山崎明子】