藤井聡太王将(22)に永瀬拓矢九段(32)が挑戦するALSOK杯第74期王将戦七番勝負(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催、ALSOK特別協賛、囲碁・将棋チャンネル、立飛ホールディングス、森永製菓、名古屋鉄道協賛)の第2局が25日、京都市の伏見稲荷大社で始まり、午後6時27分、藤井王将が43手目を封じて1日目を終えた。持ち時間各8時間のうち消費時間は藤井王将4時間13分、永瀬九段3時間52分。26日午前9時に再開する。
先勝した藤井王将の先手番ながら、永瀬九段の側が「横歩取り」の戦いに誘った。両者の横歩取り戦は5年ぶり2回目で、前回は藤井王将が勝っている。
序盤、永瀬九段は考慮時間をほとんど使わずに飛ばし、藤井王将は少考を重ねて対応した。
永瀬九段の3三桂(38手目)から昼食休憩明けの戦い。昼休の1時間を挟んで31分考えた手だった。だが藤井王将の2四飛が意外だったのか、次の2三歩にも34分使った。藤井王将は3四飛と寄る。「中盤の急所の局面です」と立会の久保利明九段。次の永瀬九段の着手に控室の注目が集まった。
検討では4四歩や2八角が候補に挙がったが、永瀬九段は一向に指す気配を見せず、考え続ける。午後5時12分、ついに1四歩と指した。自身の公式戦最長記録とみられる2時間32分の大長考。「(私はこの手を)1秒も考えなかった。意図は分かりません」。久保九段が思わず声を上げた。藤井王将は1時間15分考えて次の手を封じた。
解説の高見泰地七段は「永瀬九段の1四歩は、相手に手を渡して自分からは倒れないという永瀬九段らしい、すごみを感じる手だ」と話した。【新土居仁昌、丸山進】
第1日 指し手
[先]藤井
[後]永瀬
<1>2六歩 (2)3四歩
<3>7六歩 (4)8四歩
<5>2五歩 (6)8五歩
<7>7八金 (8)3二金
<9>2四歩 (10)同 歩
<11>同 飛 (12)8六歩
<13>同 歩 (14)同 飛
<15>3四飛1 (16)3三角
<17>5八玉1 (18)9四歩
<19>3六歩11 (20)4二銀
<21>3七桂6 (22)4一玉1
<23>3八銀9 (24)2二歩
<25>3五飛14 (26)7二銀
<27>9六歩3 (28)8八角成1
<29>同 金39 (30)8二飛2
<31>2五飛37 (32)8六歩1
<33>7八銀16 (34)9五歩5
<35>7七桂6 (36)9六歩5
<37>9四歩3 (38)3三桂31
<39>2四飛28 (40)2三歩34
<41>3四飛4 (42)1四歩152
<43>封じ手75