「文化財防火デー」の26日、世界遺産・法隆寺（奈良県斑鳩町）で防火訓練があった。防火デーは76年前のこの日、同寺の金堂壁画が焼損したのをきっかけに制定されており、僧侶や自衛消防団員ら約100人が防火への決意を新たにした。
古谷正覚（しょうかく）管長らが金堂で法要を営んだ後、訓練を開始。焼損した壁画などが保存されている収蔵庫では、屋根に設けた散水装置から水を流し、延焼を防ぐ手順を確かめた。境内の鏡池周辺では消防車から一斉に放水する訓練も実施した。
古谷管長は「訓練を通じて、改めて文化財の大切さや火災の恐ろしさについて知ってほしい」と話していた。【木谷郁佳】